研究
地域における簡易人間ドックのパターンに関する研究—1.わが国における人間ドックの現状
小谷 新太郎
1
,
千葉 裕典
1
,
内田 和子
1
,
佐渡 一郎
1
,
渋谷 修
2
,
宮崎 利雄
3
,
渡辺 真言
4
,
石館 敬三
4
,
宇野 静雄
5
1順天堂大学医学部
2埼玉県飯能保健所
3陸上自衛隊第2師団司令部
4東京都日本橋保健所
5宮内庁病院
pp.114-119
発行日 1967年2月15日
Published Date 1967/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203417
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はじめに
いわゆる成人病による死亡率は,近年わが国における死因順位の上位を占めている。したがって成人病の予防対策を講ずることは,公衆衛生上の重要課題としてとりあげられる趨勢にある。最近の厚生行政のなかでも,成人病に関する罹患率の実態調査,検診技術の開発,早期発見,早期治療の実施,専門医療施設の整備,集団検診施設の普及などの諸対策が推進されつつある。
一方成人病の早期発見,早期治療および健康状態把握の目的で,精密な総合身体検査を行なう,いわゆる人間ドックと称する施設が昭和29年頃より開設され1),これを利用する人々もかなり多数に及んでいる。著者らは,わが国の通称人間ドックといわれるものはいったいどのようなものか,どのような規模や形式で行なわれているかについて,全国的規模で人間ドックに関しての実態調査を行ない,将来に地域の成人病対策を推し進める際の検診技術の問題,検診と治療との結びつきの問題などについて考察するための資料を得ることにした。
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