今月の主題 心筋梗塞のハイライト
特殊な心筋梗塞
右室梗塞
中村 芳郎
1
,
宮崎 利久
1
Yoshiro Nakamura
1
,
Toshihisa Miyazaki
1
1慶応義塾大学医学部・呼吸循環内科
pp.40-41
発行日 1983年1月10日
Published Date 1983/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218104
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犬の右室自由壁を焼灼しても右室不全がつくれなかったという古典的実験1),剖検で右室に限局した梗塞がきわめて稀であったこと,現在言われている右室梗塞による右心不全症状は多くは経過とともに改善してしまうこと,などもあって,急性期心筋梗塞血行動態監視が広く普及するまで,いわゆる右室梗塞に関しては注意がはらわれなかった.Cohnら2)によって強調された,右心不全優位の急性心筋梗塞症は,病理解剖学的右室梗塞を意味するのではなく,臨床的,血行動態的症候群であることに注意しなければならない.
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