今月の主題 自律神経失調症—心身症としての考え方・扱い方
類縁疾患との鑑別
頭痛
安藤 一也
1
Kazuya Ando
1
1国立武蔵療養所神経センター・疾病研究第4部
pp.1764-1765
発行日 1982年10月10日
Published Date 1982/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217951
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自律神経失調症という概念はきわめて曖昧なものである,器質的原因に基づかない(したがって自律神経系にも病変はない)諸種の不定愁訴を訴える症例をさしているようであるが,これらの愁訴と自律神経機能の失調とは結びつかないものが大多数で,そのほとんどは神経症ないしデプレッションあるいはその軽症例である.心身症の大部分のものには自律神経系が関与しているが,それを自律神経失調症とは呼ばない.したがってここでは自律神経失調症の頭痛という曖昧なとらえ方ではなく,心身症に属する頭痛を主体とする疾患についての解説とその鑑別について述べることにする.
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