今月の主題 狭心症とその周辺
虚血性心臓病の診断
狭心症の問診
太田 怜
1
1三宿病院・循環器科
pp.610-611
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217703
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診断というものが,患者の病名を定めるということだけでなくて,同時にならばどうすればよいのかを決断するということになると,問診は不可欠のものである.つまりその場合は,問診が病名決定のためになされるのではなくて,その患者の背景を知るためになされるものであり,そのことが病名決定後の処置に大いに関係するからである.
しかし,現在一般に行われている問診は,主として病名決定のためのものである.となると,問診不要のものも沢山ある.たとえば,像帽弁狭窄などは,仔細に聴診して心エコー図でもとれば,問診などしなくても確実にそれと診断できる.ところが,病名決定のためだけでも問診が不可欠な疾患がただ一つだけある.それが狭心症である.もちろん狭心症という病名決定のための補助手段も数多くあるが,しかし狭心症に関しては,問診が今でも主流であることに間違いない.
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