臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
縦隔
縦隔内のリンパ節
pp.2152-2153
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217471
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縦隔内には大血管,気管,食道の間や周辺に多くのリンパ節があります.これらのリンパ節の腫張は,縦隔の輪郭から隆起するような大きさになると単純X線撮影や通常の断層撮影で判断することができます.しかし,縦隔の内に入ってしまっているリンパ節腫脹は,今までは描出が不可能でした.
図4は,悪性リンパ腫で縦隔内リンパ節腫脹がある例です.単純撮影と断層撮影では,肺門リンパ節に軽度の腫脹を示すものがあることは肺門陰影の異常からわかります.縦隔リンパ節については,矢印で示したところに,正常では奇静脈弓の陰影がある部分が,少し外方に突出していて,右気管気管支リンパ節群の腫脹があることが判断できます.CTは気管分岐部の少し下で右肺動脈が上行大動脈の背後を横走する中部縦隔のレベルの画像から,上部縦隔で気管の前に無名動脈がくるレベルまでの4枚(C〜F)を示します.
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