臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
縦隔
縦隔腫瘤影の判断
pp.2154-2156
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217472
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図6は胸骨柄の背後にある悪性胸腺腫で,単純撮影で上部縦隔に右方に膨隆する異常影があります.CTでは右腕頭静脈を右方に押し出すように,気管の右前で胸骨との間に腫瘍があることがわかります.
図7は正面像で,同様に右の鎖骨の下から右方に突出する矢印の陰影があります.鎖骨の上にまでみえますので,胸腔の少しうしろまであるといえます.この例は子宮頸癌の再発例で転移性腫瘍も鑑別診断の問題になります.CTは大動脈弓から上の4枚(B〜E)を示します.大動脈弓の壁には強い石灰化がみえますが,単純撮影でも大動脈弓頭は上方に大きくなり,壁から少し内側に離れて石灰化があります.これは古い解離性大動脈瘤と考えられ,側方向の撮影で大動脈弓から上方に膨隆する陰影をつくっていました.
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