臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
炎症性疾患(頭蓋内)
脳炎(encephalitis)
pp.2098-2099
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217452
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脳炎は脳の非化膿性炎症で原発性と2次性に大別される.
原発性脳炎(primary encephalitis)の病因はウイルスで,通常動物を介して人間に伝播される.一般に脳全体をびまん性に侵すが限局性のこともある.CTでは時期によってはmass effectを伴って広汎な低吸収域を示すこともあるが,多くの場合,まったく所見がみとめられない(図1).したがって実際には臨床症状,髄液検査,とくに髄液中のウイルス抗体の証明あるいは髄液培養や脳生検によるウイルス自体の証明から診断されることになり,CTはむしろ脳膿瘍の可能性を除外することにその役割があるといえる.
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