臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
天幕上腫瘍
腫瘍のX線吸収値
pp.2061-2065
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217435
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腫瘍内の嚢胞成分の描出(図10,1)や,石灰化,脂肪の検出にはCTが最有力である.特に脂肪は-100〜-50Hounsfield unit程度の低吸収を示し,これの存在によって脂肪腫や奇形腫の質的診断が可能である(図12).またCTは通常のX線撮影ではわからないような小さな石灰化も検出することができ,腫瘍の質的診断に役立ちうる(図13).しかし,石灰化が通常のX線撮影でも判断しうる場合には,その形態を知る上で単純X線写真のほうがはるかに有用である(図14).
以上,脳腫瘍診断に対するCTと他検査の比較という立場から,いくつかの項目に分けて述べてきたが,脳腫瘍診断においてCTが有力である点について,以下に実際に症例を呈示し,若干補足する.
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