臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
天幕上腫瘍
クモ膜下嚢胞
pp.2053,2068
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217436
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非常に良性の腫瘍で脳実質外性に発育する.CTでは脳脊髄液とほぼ等しいX線吸収値を示すので,CT脳槽造影を行って腫瘍の辺縁を描出することができる,類表皮腫との鑑別には,造影された脳槽内の陰影欠損としての腫瘤の辺縁が平滑であるか,凸凹に富んでいるかが大切な所見である.また,クモ膜下嚢胞の場合には,脳槽内の造影剤が,徐々に嚢胞内へと移行することがあり,他疾患との鑑別,および手術適応の決定の上でも重要な所見である5),したがって,クモ膜下嚢胞を疑ってCT脳槽造影を行うときには,経時的にCTを施行することが望ましい.
その他にも,まだまだ天幕上腫瘍の種類は多いが,いずれも稀なものであり,ここでは省略する.
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