特集 ウイルス感染症
A型肝炎の疫学と臨床
佐藤 明
1
,
市田 文弘
1
Akira SATO
1
,
Fumihiro ICHIDA
1
1新潟大学医学部第三内科
pp.213-218
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206673
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A型肝炎の歴史は古く,紀元前5世紀ヒポクラテスが流行性黄疸を第4の黄疸とよんで他の黄疸と区別していた頃に始まり1),今日に至るまでしばしば流行や集団発生をみているが,中でも戦争中の軍隊内におけるものは人々に「軍隊の黄疸」,「兵士の黄疸」といわれて怖れられていた2).
今世紀に入り本疾患がウイルスによるものと考えられるようになり,ヒト血清成分接種により発病する血清肝炎とは区別され,流行性肝炎とよばれるようになった.1941年の弘,田坂ら3)をはじめとするいくつかの接種実験の後,MacCallumが流行性肝炎をA型肝炎,血清肝炎をB型肝炎と命名4)したのが今日の呼び名になっている.
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