今月の主題 アミロイド
巻頭言
アミロイド研究の流れ
螺良 英郎
1
Eiro TSUBURA
1
1国立療養所刀根山病院
pp.991-992
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914055
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アミロイドを類澱粉の意味で命名したのはVirchow (1854年)で,130年も前のことである.それより以前においてすでに,白色やワックス様の物質が,肝,脾に沈着していることが認められており1),サゴ脾(1657年)もその代表的表現の1つである.Rokitansky (1842年)は脂肪肝の1つとも考えていたが,Virchowがヨード・硫酸反応の結果からみて,多糖の一種と考えてアミロイドと命名したのである.
アミロイド物質が沈着する疾患がアミロイドーシスであるが,この病気の研究の大きい流れは,アミロイドという物質が果たしてどういうものであるかという点と,なぜ,またどのようにしてアミロイドが生成されてくるのか,いわゆるamyloid原性をめぐって長い,数多くの研究の足跡が残されている2).
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