今月の主題 肺癌—最近の知識
肺癌の治療
手術療法
成毛 韶夫
1
Tsuguo NARUKE
1
1国立がんセンター病院・呼吸器科
pp.438-442
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217077
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わが国における肺癌の増加とともに,手術療法を受ける例が全国的に急増している.放射線療法や化学療法の進歩,それに免疫療法が導入されたが,肺癌の治療は何といっても手術療法に最も治癒の期待がもてるからである.すなわち"肺癌は可能な限り切除"し,そして集学的治療というのが現在の肺癌に対する治療法である.手術の安全性は確立され,手術療法もいわゆる集学的治療の中で,一方では拡大傾向へと向かい,他方では心肺機能に対する配慮や高齢者に対する肺切除範囲の縮小傾向が出てきている.癌外科の原則である機能を温存しながらしかも根治性を重視した,いわゆる気管支成形術という新しい術式も導入されてきた.
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