異常値の出るメカニズム・34
尿比重と尿浸透圧
河合 忠
1
Tadashi KAWAI
1
1自治医科大学・臨床病理学
pp.105-107
発行日 1981年1月10日
Published Date 1981/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217008
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尿比重・浸透圧の検査法
尿比重測定には,尿比重計(浮秤計)を使う方法と尿屈折計を使う方法とがある.元来,尿比重計を使っていたが,尿比重と尿屈折率がほぼ相関することから,わが国では1965年ごろから広く使われはじめた.しかし,屈折計の目盛の基礎となるノモグラムは多数試料の実測によって経験的に作成されたものであるため,メーカーによって異なる.また,食塩や尿素では比重と屈折率に及ぼす度合が異なり,しかも食習慣によって尿組成が大きく異なるため,尿屈折計法による測定値と比重計による測定値にかなり乖離のみられることが少なくない.そこで,わが国の実状に合った日本臨床病理学会ノモグラムが発表されている(臨床病理27:1026-1031,1979).今後,尿屈折計の目盛は本ノモグラムによって作成されることにより,規準化が可能となる.
尿浸透圧測定は浸透圧計により行うが,近年では小型機器も市販されるようになり,かなり広く実施されるようになった.
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