今月の主題 糖尿病診療の現況
治療
進行した糖尿病性網膜症の治療
清水 昊幸
1
Hiroyuki SHMIZU
1
1自治医科大学・眼科
pp.64-65
発行日 1981年1月10日
Published Date 1981/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217001
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病期区分
進行した糖尿病性網膜症とはどのような状態のものをいうのか.この問いに答えるのに好都合な糖尿病性綱膜症の病期区分がある.糖尿病性網膜症を大きく2病期に分割して,背景網膜症(background retinopathy)と増殖期糖尿病性綱膜症(proliferative state of diabetic retinopathy)とする分け方である.この区分はDavisら1)によって提唱され,今日広く受け人れられている.
第1の背景網膜症の時期には,病変は網膜内に限局していて,小血管瘤,点状出血,硬性白斑,毛細血管網の閉塞,網膜の浮腫などがみられるが,いずれも網膜内の限局した変化で,視機能の急激な悪化は起こりにくい.
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