臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
I.循環器疾患
房室ブロック VS 房室干渉解離
石川 恭三
1
Kyozo ISHIKAWA
1
1杏林大学医学部・第2内科
pp.1850-1851
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216784
- 有料閲覧
- 文献概要
なぜ鑑別が問題となるか
房室干渉解離(interference A-V dissociation:A-VD)と鑑別診断上とくに問題となる房室ブロックは,完全房室ブロック(complete A-V block:A-VB)である.ここで少し房室解離の説明をしておきたい.房室解離とは,心房と心室とがまったく別個のペースメーカーの支配下で脱分極される状態をいう.A-VBも房室解離の状態にあるわけであり,いうなれば完全房室ブロックによる房室解離ということになる.一方,房室干渉解離とは,上室性の刺激と心室性の刺激が同時か,ほとんど同時に発生することにより,房室解離の状態を生じるわけである.この2つの刺激は衝突し,互いに進行を妨害することになる.この現象を房室干渉解離という.
房室干渉解離が生じ得る部位は図に示すとおりである.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.