臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
I.循環器疾患
上室性頻拍 VS 心室性頻拍
小沢 友紀雄
1
Yukio OZAWA
1
1日本大学医学部・第2内科
pp.1852-1853
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216785
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なぜ鑑別が問題となるか
上室性頻拍も心室性頻拍もともに著明な頻脈性の発作性の不整脈であるが,前者が比較的良性なのに対し,後者は致命的な心室細動への移行の可能性のある危険な不整脈である.したがって治療にあたっても両者では判断が異なってくる.典型例では両者の鑑別はそう困難ではないが,QRSの変形した一部の上室性頻拍およびWPW症候群にみられる発作性心房細動は心電図上も心室性頻拍症と紛らわしく,臨床的にはこれが最も鑑別上問題となるところである.
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