今月の主題 膵と胆道疾患
新しい診断法
膵生検—超音波画像ガイド経皮的膵生検を中心に
木村 健
1
,
山中 桓夫
1
Ken KIMURA
1
,
Takeo YAMANAKA
1
1自治医科大学・消化器内科
pp.1374-1376
発行日 1980年9月10日
Published Date 1980/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216673
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はじめに
膵生検は,現在のところ主に膵の形態異常に対する最終(確定)診断を得る目的で行われている.すなわち,膵の形態異常,とくに腫瘤性病変の悪性・良性の鑑別が主である.したがって,膵生検の場合,主に悪性腫瘍に対する陽性率が問題となる.もちろん,膵生検そのものが診断の一過程に過ぎないことを考えれば,本手技による合併症の発現率の問題もまた重要であることはいうまでもない,現在主に行われている膵生検法とその膵癌に対する診断率,合併症について,表に一括して示す(詳細は文献1)参照).膵生検は術前生検法と術中生検法に大別されるが,術前生検法では超音波画像ガイドによる経皮的膵吸引生検(エコーガイド膵生検)が最も優れている.筆者らの教室では,腹腔鏡下における膵の直視下吸引生検も行っており,満足すべき成績を得ているが,本稿ではこのエコーガイド膵生検について概説する.
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