今月の主題 今日の血液形態学
赤血球の形態異常
ハインツ小体の病態生理
宮地 隆興
1
Takaoki MIYAJI
1
1山口大学医学部付属病院・検査部
pp.1178-1180
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216621
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通常の赤血球は,直径7.5〜8.3μ,厚さ1.7μ,体積8.3μ3,表面積140μ2の中央部の凹んだ円盤状の形態をなしている1).この赤血球の形を維持するためには諸種の条件が満たされなければならず,正常の条件のもとではこれらの変化は,ほぼ5%をこえない1).ところがこれら諸条件に変化が生ずると,赤血球は特有で多彩な形態を示すので,赤血球の形態の変化は疾患の病態をあらわす有力な情報となる.
ここでは,ヘモグロビンの変性により,赤血球内にヘモグロビンまたはグロビンが沈殿して生じたハインツ小体Heinz bodyについて述べる.
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