今月の主題 慢性肝炎をめぐる諸問題
経過と予後
慢性肝炎と肝癌
佐藤 俊一
1
,
中沢 一臣
2
,
小岡 文志
2
Shun-ichi SATOH
1
,
Kazuomi NAKAZAWA
2
,
Fumishi KOOKA
2
1岩手医科大学医学部・第1内科
2岩手医科大学医学部・内科
pp.868-870
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216549
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急性ウイルス肝炎の一部は慢性肝炎を経て肝硬変に移行する.肝硬変と原発性肝癌とは密接な関連を有するので,当然ウイルス肝炎との関連が問題となる.とくに肝細胞癌ではHB抗原が高率に陽性であり,B型肝炎との関連が注目される.しかもHB抗原が持続陽性の慢性肝炎から肝細胞癌が発生する症例がみられることから,B型肝炎ウイルスの持続感染と発癌との関連が重視されている.また非A・非B型肝炎ウイルスにも持続感染が考えられることから,これらウイルスと肝癌との関連も注目されつつある.ここではB型肝炎を中心に肝癌との関連を述べる.
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