今月の主題 甲状腺疾患診療の進歩
珍しい甲状腺疾患
TSH分泌異常症
宮井 潔
1
Kiyoshi MIYAI
1
1大阪大学医学部付属病院・中央臨床検査部・臨床検査診断学
pp.732-735
発行日 1980年5月10日
Published Date 1980/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216523
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はじめに
甲状腺刺激ホルモン(thyrotropin,thyroid stimulating hormone,TSH)は,脳下垂体から分泌され,その名の通り甲状腺を刺激する作用を有する.一方,TSHの分泌はさらに上位の視床下部から分泌されるTSH放出ホルモン(thyrotropin releasing hormone,TRH)によって調節される一方,甲状腺ホルモンが増(減)すれば,TSH分泌が抑制(促進)されるという.いわゆるネガティブフィードバック機構によって調節されている.したがって,視床下部,下垂体,甲状腺のいずれの部位に障害が起こってもTSH分泌異常が惹起されるわけであるが,ここではとくに,稀ではあるが興味ある症候群をとりあげて解説することとする.
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