今月の主題 最近の腎疾患の基礎と臨床
ネフローゼ症候群の臨床
小児のネフローゼ症候群
村上 睦美
1
,
植田 穰
1
Mutsumj MURAKAMI
1
,
Yutaka UEDA
1
1日本医科大学・小児科
pp.522-523
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216478
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疫学的事項および定義
ネフローゼ症候群の発生頻度はわが国においては,15歳以下では,人口10万について1年間2.1〜6.9例との報告があり,有病率は15歳以下では,人口10万について30〜35例とされている.発症年齢は4歳をピークとし3〜6歳に多く,男女比では約3:1で男児に多い.これらのことはわが国において特徴的なものではない.
小児のネフローゼ症候群の診断基準は,厚生省特定疾患NS調査研究班のものでは,成人の診断基準と項目としては同様であるが,蛋白尿に関しては0.1g/kg/日以上,早朝起床時第一尿で300mg/dl以上,低蛋白血症に関しては血清総蛋白量が学童・幼児では6.0g/dl以下,乳児では5.5g/dl以下,血清アルブミン量が学童・幼児では3.0g/dl以下,乳児では2.5g/dl以下,高脂血症に関しては血清総コレステロール値が学童では250mg/dl以上,幼児では220mg/dl以上,乳児では200mg/dl以上が付加されている.
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