研究
能登地方における肺吸虫症
石田 宗治
1
,
真田 繁子
2
,
小林 正
3
,
西 正美
4
,
多賀 宏子
5
,
飯田 成美
6
,
坊 久雄
7
1石川県羽咋保健所
2石川県富来保健所
3石川県門前保健所
4石川県松任保健所
5石川県輪島保健所保健予防課
6石川県公衆衛生課
7石川県厚生部
pp.445-448
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204299
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緒言
先に加納および著者の真田,石田らは,能登半島中部の志賀郷地区(現在,羽咋郡志賀町)において,肺吸虫症の分布状況の調査を集団検診で行ない,同地は肺吸虫症の流行地であり,患者発見率は受診者の0.4%に及び,なかでも特に地区では米町川流域に,年齢では小中学生を中心とした若年層に多いこと,しかも患者の6割は胸部にX線所見を呈し,また約1/3余は肺結核症として登録されていたことを明らかにし,この流行は結核対策との関連からも無視し得ないことを報告した1)(昭和41年).
一方,横川らの調査により,能登半島の輪島市の小学生からも患者が発見されたことが報告されていた2)(昭和36年)ので,一般に生活様式のほぼ等しい羽咋郡羽咋市地方だけでなく,これと北に接する鳳至郡・輪島市でも本症の流行が潜在しているのではないかと考え,その分布状況の調査を行なった.
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