治療のポイント
肺吸虫症
岩崎 基
1
1国立高知病院
pp.1024-1026
発行日 1964年10月10日
Published Date 1964/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200509
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肺吸虫症は根治できる
肺吸虫症はわが国では北海道,青森以外はどこにもみられるが,中でも九州,四国などに濃厚に浸淫している。本症は衆知のように血痰,喀血など臨床症状が肺結核に酷似しているうえに,肺のレ線写真所見もはなはだ似ていて,患者の大半が肺結核と混同され,結核が化学療法によつて速やかに治癒するのに対し,本症には特効薬がなく長く患者を悩まして来た。
肺吸虫症の治療薬としては,古くからエメチン・スチブナールが,近くはクロロキンがあるが,このうちもつとも強力とされたエメチン・サルファ剤の併用療法でも,長期間観察すれば,再発率が85%にも達し,また時に心筋障害など重篤な副作用を呈した。
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