演習・放射線診断学 CTスキャン読影のコツ・7
胆道系
荒木 力
1
Tsutomu ARAKI
1
1東京大学医学部・放射線科
pp.98-103
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216378
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はじめに
胆道の画像診断としては,非侵襲性でスクリーニング検査としての性格の強い従来の胆道造影(経口および静注),超音波検査および核医学検査(99mTc-PI,99mTc-HIDAなど)と,これらの検査で拾い上げられた症例を対象とする直接造影法(経皮胆管造影,内視鏡的逆行性胆管造影,手術的胆管造影)とがある.コンピュータ断層撮影(以下CT)は,その情報量,経済性,便宜性,被曝量などを考慮するとこれら二者の間に位置する検査といえる.
すなわち,スクリーニング検査において的確な情報を得られなかった場合に,あるいは得られた情報を確認し,直接造影検査の適応と選択とを決定する目的で行われる検査と考えられる.上記のスクリーニング検査,とくに超音波検査から得られる情報は,検査者の技術に負うところが大きい傾向はあるが,総じて満足すべきである.したがってCTの役割は,胆道系に関する限り大きいとはいえないが,その客観性と易読性には捨てがたいものがある.
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