今月の主題 消化管ホルモンの基礎と臨床
消化管ホルモンの臨床
WDHA症候群
山口 建
1
,
阿部 薫
1
1国立がんセンター内分泌部
pp.2256-2259
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216334
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はじめに
水様性下痢は,さまざまな原因で出現する病態であるが,その中の一つにホルモン産生腫瘍に伴うものがある.表1に示したように,下痢をひき起こすホルモン産生腫瘍にもいろいろな疾患が含まれており,それぞれの病態に特有な下痢惹起物質が想定されている.
WDHA症候群は,膵ラ島腫瘍あるいは膵ラ島過形成によって産生される下痢惹起物質が,表1の中でも最も大量の水様性下痢(Watery Diarrhea)と,低カリウム血症(Hypokalemia),胃無酸症(Achlorhydria)などをひき起こす病態をいい,Verner-Morrison症候群やpancreatic cholera症候群という名称も,同一の病態を表す言葉である1).
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