今月の主題 消化管ホルモンの基礎と臨床
消化管ホルモンの臨床
Zollinger-Ellison症候群
大江 慶治
1
,
三好 秋馬
1
1広島大第1内科
pp.2253-2255
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216333
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Zollinger-Ellison症候群(ZE症候群)は,ガストリン産生細胞の腫瘍により起こる症候群であり,1955年ZollingerとEllison1)による膵ラ島腫瘍を伴った難治性潰瘍の2女性の報告に始まる.次いで,1956年EisemanとMaynard2)は胃酸分泌過多,難治性潰瘍,膵ラ島非β細胞腫瘍の3主徴を呈する疾患をZE症候群と命名した.わが国では,1961年村田ら3)による39歳男の非β細胞腺腫を伴った十二指腸潰瘍例の報告が最初である.筆者らは本疾患の病像について述べるとともに,秋本ら4),阿部ら5),三好ら6,7),大江ら8)による臨床統計と,1973年Wilsonによる米国の統計9)とを比較し,わが国のZE症候群の特徴について考察する.
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