今月の主題 血管炎とその臨床
血管炎の診断
血管炎診断のための生検(カラーグラフ)
細田 泰弘
1,2
1慶大病理学
2慶大中検病理
pp.2111-2114
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216293
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はじめに
血管炎として一括される疾患の中には,全身に広汎に分布するものから,一組織,一臓器,あるいは一局所に局在するものまで,さまざまである.また病期によって形態学的に異なる像を呈するものもあり,血管炎が疾患の主体を構成するものがある一方で,病態の中で特殊な,あるいは例外的な一部分症として出現するものもある.血管炎を有する全身性疾患の多くは従来診断困難な難治性疾患に属し,結節性動脈周囲炎のように剖検によってはじめて確定診断の得られる場合も少なくなかったが,最近では各種の診断技術の進歩とともに,診断確度は飛躍的に改善されつつあるように思われる.
今日では血管炎の生検は単に診断確定のためばかりではなく,時には治療面で有益な情報を得ることさえ可能である.以下,筆者らが実際に経験した症例を例示しつつ,血管炎診断のための生検に関して述べたい.
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