今月の主題 血管炎とその臨床
血管炎の診断
放射線診断—血管造影を中心に
平松 京一
1
1慶大放射線診断部
pp.2116-2121
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216294
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はじめに
血管炎には実に多くの分類があり,また血管炎の定義についても多くの説が述べられている.発生部位から見た大動脈炎,動脈炎,静脈炎など,すべてを総合的にvasculitisあるいはangiitisと呼ぶが,血管炎には,一部感染性のものを除けば,原因不明のものが多く,主として侵す部位もとくに一定しないことも多いことが,原因による分類や発生部位別分類などにいまだ確立したものがない所以であろう.
いずれにしても,血管炎は血管壁が炎症の場になっているわけで,血管壁に発生する変性,浸出,細胞浸潤,肉芽形成,器質化などにより,血管に何らかの形態学的変化をきたすことが多く,したがって血管造影が診断に決定的な情報をもたらすことが少なくない.
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