臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
XIII.細胞診
156.泌尿器系の細胞診
森 三樹雄
1
1佼成病院臨床検査部
pp.2002-2003
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216260
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はじめに
泌尿器系の細胞診の主目的は泌尿器系悪性腫瘍の発見である.尿は容易に採取できるにもかかわらず,従来,細胞診はあまり行われなかった.
その主な理由としては,細胞診によって泌尿器系悪性腫瘍をスクリーニングするという概念が臨床的に重視されなかったこと,泌尿器系の細胞診標本を読めるスクリーナーや病理・細胞診の専門医が少ないこと,日常検査の尿沈渣では悪性細胞の発見に重点がおかれていなかったことである.しかしながら,尿沈渣を鏡検している実地医家や臨床検査技師が悪性細胞発見のたあに積極的に取り組むと同時に,細胞診における悪性細胞スクリーニングの有用性を十分認識すれば,泌尿器系悪性細胞の発見率は著増するであろう.
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