今月の主題 内科医に必要な精神科の知識
概念と診断
てんかんとその周辺
宮坂 松衛
1
1獨協医大精神神経科
pp.1330-1335
発行日 1979年9月10日
Published Date 1979/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216037
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
てんかんの現代的概念
てんかんという病は,ギリシャ時代以来,主として痙攣と意識喪失の発作を起す病として知られていた.しかしながら,てんかん発作には上記二者以外にも,感覚,情動,行動,自律神経系などにわたる各種の内容をもちうるらしいことが漸次に知られてきた.
そうした病態の検索のために1930〜1940年頃より脳波検査という新しい武器が用いられ始めてから,てんかん発作は,脳波上に突発的な律動異常paroxysmal dysrhythmia(てんかん性脳波)として表現されるところの脳内神経細胞の過剰放電によって起されること,また,その発作の内容(症状)はその過剰放電の起る脳内部位の相違によって種々に異なることが知られてきた.

Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.