図解病態のしくみ 消化器疾患・3
消化性潰瘍(2)—症状と診断
松枝 啓
1
1国立病院医療センター消化器内科
pp.934-937
発行日 1979年6月10日
Published Date 1979/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215935
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はじめに
前号では消化性潰瘍の病因および病態生理について述べたが,それらの事柄は診断,治療においても大きなウェイトを占める.
すなわち,消化性潰瘍の診断・治療においては病態生理に基づいた正しいアプローチが心要であるが,もしそれが行われなかったり,あるいはまた合理的な制酸剤の使用が考慮されなかったり,さらに従来から行われている誤った食事療法などが改善されなければ,潰瘍の治療効果が上がらないばかりか,再発をきたすなど,一見簡単に思える潰瘍の診断・治療にも数多くの問題点がみられる.今回と次号とにわたって,これらの問題点を明らかにしながら,合理的な潰瘍の診断・治療を考えてみたい.
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