今月の主題 血栓とその臨床
血栓症をめぐる問題点
村上 元孝
1
1東京都養育院付属病院
pp.812-813
発行日 1979年6月10日
Published Date 1979/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215902
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はじめに
動脈系,静脈系いずれの血栓も,日本人においては欧米人に比し幸い低率であるとされ,臨床の面であまり強い関心がもたれていなかった.しかし,最近食事の欧米化が一つの原因と考えられるが,臨床上,血栓症が問題となる機会が多くなり,ようやく諸家の関心をひくようになってきた.これには最近の血液凝固学の進歩によるところが大きく,本誌に「血栓とその臨床」と題して特集が組まれた所以と思われる.最近10年間の医学の進歩は誠に目ざましいものがあるが,凝血学の分野は最も進んだ分野の一つであり,血栓症に関する進歩のあとを2,3の問題点を呈示しながら,振り返ってみることにする.
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