図解病態のしくみ 血液疾患・4
リンパ球減少
高橋 隆一
1
1済生会中央病院内科
pp.134-135
発行日 1979年1月10日
Published Date 1979/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215738
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リンパ球減少lymphocytopenia,lymphopeniaとは成人の場合には末梢血のリンパ球数が1,000/mm3以下になった場合をいう.末梢血のリンパ球の70〜85%がT細胞で,残りがB細胞なので,リンパ球減少は主としてT細胞の減少を反映しており,細胞性免疫の低下を伴っていることが多い.
リンパ球は,胎生期においては卵黄嚢yolk sac,ついで肝において,生後は骨髄において幹細胞から分化して産生される.幹細胞から生じたリンパ球は,一次性リンパ組織である胸腺およびブルザ相当器官において抗原刺激に関係なく活発に増殖して,それぞれT細胞およびB細胞となり,末梢血中にあらわれる.これらのリンパ球は,二次性リンパ組織である脾およびリンパ節などのリンパ組織に入り,抗原刺激によって増殖し,再び末梢血中にあらわれる.B細胞は約2週間,T細胞は数ヵ月の寿命をもつといわれている.
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