臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
XII.感染症
4.抗生物質大量療法と併用療法
抗生物質の相互併用の適応と問題点
紺野 昌俊
1
1帝京大小児科
pp.2350-2351
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208360
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抗生物質相互併用の問題点
抗生物質の併用についての検討は,古くから多くの研究があり,中でも石山,Jawetzの理論が有名である.その概要はpenicillin(第1群)はstreptomycinやpolymixin Bおよびcolistin(第2群)との併用で相乗効果を示すが,chloramphenicolやtetracyclineやmacrolide系およびsulfa剤(第3群)との併用では拮抗作用を示し,第2群と第3群の併用は相加・平均的な作用であるというものである.これらの基礎的な検討は確かなことであるが,臨床で相乗効果なり拮抗的な現象が見られるかというと,ほとんど証明されていない.
しかし,一般の臨床医家の中には,たとえばアスピリンとフェナセチンの併用のように,併用したほうが効くのではないかという感覚を持っておられる方が圧倒的に多いことも確かである.かくて,一つの抗生物質が効かなければ,それに別な抗生物質を上乗せし,やがては無原則といえるほどに数種の抗生物質が併用されていく.
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