臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
XII.感染症
4.抗生物質大量療法と併用療法
抗生物質大量療法の適応
斎藤 厚
1
,
原 耕平
1
1長崎大第2内科
pp.2348-2349
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208359
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はじめに
抗生剤の大量療法とはとくに定義があるわけではなく,常用投与量の何倍以上を大量と呼ぶかは問題のあるところであるが,常識的に3〜10倍,たとえばCBPCであれば5〜10g以上を1日量として用いる場合,これを大量療法と呼んでさしつかえないと思われる.抗生剤の大量療法は最近5〜6年来注目されてきた投与法であり,多くのすぐれた臨床効果が報告されている1,2)が,これは何も新しい概念ではなく,臨床効果の高揚にはまず抗生剤の増量が考えられるわけで,従来PC-Gを除けば副作用の発現ということで,それほど多く増量して使用できなかったものが,低毒性薬剤の開発に伴って大量使用が可能となったことと,一方では,大量を用いなければ効果が得られないような起炎菌ないしは生体側要因が数多く存在するようになったことを意味している.
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