臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
VIII.神経・筋疾患
3.神経系治療薬の選び方
精神安定剤
坂部 先平
1
1日大精神神経科
pp.2110-2111
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208272
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はじめに
緩和精神安定剤は病的な不安,緊張,焦躁感などを鎮める目的で,主として神経症の治療に用いられるものと定義することができる.ただ,神経症の発生機序として,発症の直接の動機である結実因子と相補的に働く,適応障害を起こしやすい人格傾向が考えられるため,安定剤の投与は精神療法の補助手段であると考えるべきである.しかし,強い自覚的苦痛をまず軽減することで,精神療法に必要な医師・患者関係の成立を容易にし,また,心身相互の悪循環を断ち切る効果などにより,薬物療法の必要性はきわめて高く,臨床の実際上からも安定剤の便利性は高く買われている.
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