臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
VIII.神経・筋疾患
3.神経系治療薬の選び方
抗めまい剤
松永 喬
1
1奈良医大耳鼻咽喉科
pp.2106-2109
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208271
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めまい疾患の治療方針
日常臨床上,筆者らが主治医として治療にあたっているめまい疾患は,まず末梢性めまい(以下耳性めまいという)として,メニエール病確実例ならびに疑い例,内耳炎(中耳炎性,脳膜炎性),良性発作性頭位眩暈症,めまいを伴うハント症候群,前庭神経炎,内耳梅毒,外傷性内耳・内耳道障害,加速度病などがある.次に椎骨脳底動脈循環不全症,高血圧症,起立性低血圧症,脳動脈硬化症,高脂血症のときのめまい,頭頸部外傷後のめまいなどを内科医,精神神経科医と相談して加療している.そのほか鼻性めまい,原因不明の眩暈症,とくに一般内科的神経学的検査で明確な所見の得られないめまいが神経耳科医の治療の対象疾患となる.
これらの疾患に用いられる抗めまい剤としては,向循環改善剤,向神経剤(自律神経調整剤,phenothiazine誘導体,minor tranquilizerなどを便宜上総称していう.以下同じ),向脳代謝改善剤およびビタミン剤の4者が対症的に用いられ,利尿剤,ステロイド剤,抗ヒスタミン剤が選択的に用いられている.
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