臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
VII.代謝・栄養障害
3.糖尿病合併症の治療
増悪した糖尿病性網膜症の扱い方
福田 雅俊
1
1虎の門病院眼科
pp.2048-2050
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208249
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はじめに
糖尿病性網膜症は,増殖型と単純型(非増殖型)とに大別され,前者は内科的治療のみではその進行を阻止できず,外科的療法(網膜光凝固療法と脳下垂体手術療法)の併用が必要となる.したがって,糖尿病性網膜症の増悪をみたときは,それが増殖型化する危険があるか,すでに増殖型化したものと判定すべきかなどに細心の注意を払う必要があり,眼科専門医の判定・協力がぜひとも必要である.本誌は内科医または一般医を対象とするものと判断されるから,眼科的な専門事項には極力触れないようにしたいが,検眼鏡的には明らかな新生血管とはいえぬ程度の細小血管の変型,拡張,網膜浮腫,軟性白斑の多発,表在性網膜内出血の出現などが網膜症の増殖型化を示唆する重要所見であり,螢光眼底造影検査の実施も必要となることが多い.この検査上,螢光色素漏出血管の多発,毛細血管床閉塞野の拡大などの所見も増殖型化を知る重要な決め手となる.
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