臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
V.肝・胆道・膵疾患
7.膵疾患の治療
急性膵炎の治療の要点
戸田 安士
1
,
早川 哲夫
2
1名大総合保健体育科学センター
2名大第2内科
pp.1995-1997
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208229
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はじめに
急性膵炎の治療の原則は,従来からいわれているように,①ショックおよび電解質異常に対する処置②鎮痛,③膵外分泌の抑制,④抗酵素療法,⑤二次感染の予防,⑥開腹術などで,最近これに高カロリー輸液療法を加えるものもある.一方,本症のように全身状態など病状の変化が急速な疾病に対しては,病状を正確に把握してそれぞれの時期に的確に対応しなければならない.そのためには,脈拍数,呼吸数,血圧,尿量,意識などのいわゆるvital signのほか,血液中ガス分圧,pH,浸透圧,電解質,糖,尿素窒素,ヘマトクリットや中心静脈圧などの情報を入手することが必要である.その意味からも,重症例はICUで管理されることが望ましい.その上で,次のような基本的姿勢で本症の治療に臨むことが大切である.
1)発症時の重症度のいかんを問わず,発症2〜3日間は飢餓,輸液を実施して極力膵の安静をはかること.
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