臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
IV.消化管疾患
6.心身医学的アプローチ
ストレス潰瘍
阿部 政直
1
1日大第3内科
pp.1938-1939
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208207
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
胃・十二指腸潰瘍は古くから心身症の代表的疾患とされているが,これは潰瘍の成因や再発再然の因子が単純なものでなく,いろいろ複雑な因子がからみ合っていると考えられるために,胃・十二指腸潰瘍を単に局所疾患としてのみとらえるのではなく,むしろ全身的疾患として心身両面から扱うべきであるという心身医学的な見地よりの解釈であり,このことは今日すでに常識となりつつある.一方,従来より潰瘍の再発や再然に関して精神的ストレスが関与している例が多いということはいうまでもないが,最近精神的ストレスが原因となって発生したと考えられる急性潰瘍性病変が注目されてきており,多方面からの検討が行われている.そこでまず一般的なストレス潰瘍の概念について少し述べてみる.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.