臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
III.呼吸器疾患
5.呼吸器感染症の治療
かぜ症候群の治療
加地 正郎
1
1久留米大第1内科
pp.1844-1845
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208172
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かぜ症候群の診断
治療開始に先立って,正確な診断が要求されることは,すべての疾患を通じていえることであるが,かぜ症候群(かぜと略)では特徴的な症状,所見に乏しいため,他の疾患を除外してのち初めてかぜの診断を下す態度で臨むべきである.かぜが日常診療上あまりにも普遍的であるため,"かぜ症状"があればとかく安易にかぜとする傾向がみられる.しかし,実際には"かぜ症状"を呈してくるかぜ以外の疾患,しかもそれぞれに的確な早期治療を要求される疾患は数多い.
したがって,高熱を呈する症例では主として急性熱性疾患との鑑別が,呼吸器症状,とくに咳,痰などの下気道症状が強い症例では,肺結核,胸膜炎,肺化膿症その他の呼吸器疾患との鑑別が問題となる.
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