臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
II.循環器疾患
2.心原性ショックの薬物治療
DIC,代謝性アシドーシスの対策
石原 昭
1,2
1北里大ICU
2北里大CCU
pp.1778
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208147
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はじめに
汎発性血管内凝固症候群disseminated intravascular coagulation(DIC)の原因となる基礎疾患は多岐にわたり,一概には論ぜられないが,基礎疾患が重篤であり,preshock状態,さらにshock状態を示した場合は,常にこのDICを念頭におき,早期発見,早期治療を開始しなければならない.心原性ショック,とくに心停止をきたしたものは心蘇生後には高率にDICが発生することが報告されている1,2).
また筆者らの経験では,心原性ショックと代謝性アシドーシスの関係は,心原性ショック以前にはまったく代謝性アシドーシスを示していなかったものと,また代謝性アシドーシスを示していたものとがあり,これも結果としては招来するが,原因とは一概にいえないようである,また心原性ショックのあとの急性腎不全,ショック肺,ARDSや肝障害などはショックによる虚血または低酸素症によるものか,DICによるものかの鑑別は困難な場合が多いので,この両方を考慮しながら常に治療する必要がある.
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