増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
疾患からみた内科エマージェンシー
腎疾患・電解質異常
88.代謝性アシドーシス
林 松彦
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.1968-1969
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900505
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ポイント
1)診断動脈血ガス分析により,pHと重炭酸濃度(〔HCO3-〕)を測定する.また,血清電解質濃度からanion gap(AG)を求める.
A G=〔Na+〕-(〔Cl-〕+〔HCO3-〕)
2)鑑別診断AG増加を伴う代謝性アシドーシスに,急性疾患が多い.この中で,とくに,糖尿病性ケトアシドーシス,乳酸アシドーシス,薬物中毒が臨床上重要である.
3)治療原疾患の治療が優先される.アシドーシスの補正が必要な場合は,動脈血pHが7.2以下となった場合に限られる.この場合,下記の式より求めた欠乏量の半量を投与し,動脈血pH 7.2以上となった時点で中止する.
〔HCO3-〕欠乏量=(〔HCO3-〕目標値-〔HCO3-〕実測値)×体重(kg)×0.4
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