今月の主題 実地医のための臨床細菌学
細菌学的アプローチ
血液・髄液
富岡 一
1
,
内田 博
1
1慶大中検
pp.933-937
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207932
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はじめに
敗血症や髄膜炎を疑う血液や髄液よりの病原微生物の分離は,これをもって原因菌と決定できるだけに,その適正な検体採取と培養法が要求される.しかもいまさらふれるまでもなく,亜急性細菌性心内膜炎では,化学療法が長足に進歩した現在,もはや感染死をみることはなく,その直接の死因は心不全と梗塞死になってきたが,その早期診断,早期適正治療の重要性は少しも変わっていない.
また,近年,著しく増加のみられるグラム陰性桿菌(GNR)敗血症では死亡率はきわめて高率で,その迅速なる原因菌の同定と薬剤感受性の把握は,早期適正治療開始に直結し,その重要性はより強調されている.そこで血液培養実施上のいくつかの要点を述べてみる.
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