今月の主題 急性期脳卒中の臨床
診断の手がかり
腹水を主訴として―急性膵炎
内田 耕太郎
1
,
松岡 国雄
2
1京大医療技術短大
2京大第1外科
pp.204-205
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207739
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症例 33歳,男性,労務者
生来,飲酒を好み,日に7合〜1升常飲していた.入院2日前より心窩部に持続性の疼痛があったが放置していた.入院日の夕方いつものように飲酒したところ,疼痛が激烈となり,悪心をきたして来院す.過去1年間に上腹部激痛を3回経験している.
上腹部を中心として筋性防御,ブルンベルグ徴候あり,肺肝境界がやや不明で腸雑音減弱す.尿蛋白・尿糖陽性,白血球増多とともに血清アミラーゼ値の上昇,Ht値の上昇あり.腹部X線単純撮影で膨満した腸管にガス像がみられ,立位で鏡面像,腰筋陰影の消失が認められた.十二指腸潰瘍穿孔による腹膜炎も否定できず開腹した.
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