今月の主題 急性期脳卒中の臨床
臨床のトピックス
Lacunar Stroke
山口 武典
1
1国立循環器病センター内科脳血管部
pp.62-63
発行日 1978年1月10日
Published Date 1978/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207702
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はじめに
閉塞性脳血管障害は大別すると,頭蓋外ないしは頭蓋内主幹動脈の粥状硬化によるもの,心臓ないしは大血管の血栓に由来するもの,および脳内穿通枝の障害によるものの3つに分けられる.欧米諸国では,頭蓋外血管の病変が強く,高頻度にみられるためか,病因の追求はもっぱら前2者に向けられ,穿通枝の障害によるものは軽視されがちであった.
一方,わが国では,高齢者の軽い手足のしびれ感や脱力,構語障害,嚥下障害,歩行障害などに対して,"脳動脈硬化症"という診断がつけられ,脳内の小病巣についてはあまり注目されていなかった.
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