天地人
救急医療
磐
pp.2373
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207686
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佐野 恵『救急医療はなぜ嫌われるのか』(科学情報社出版,広済堂発売,昭和52年)という本が出ている.救急医療の第一線にたって,泥まみれで働いている医師の手記としてぜひ一読をおすすめするものである.
この著者は大阪の清恵会という救急病院の院長である.成功した開業医によくある例であるが,いわゆるエリートコースを歩かず,救急医療が大好きで,若いときから万能医となることを志して医療の第一線を歩き,稼いだ金を資金にわずか5年間でベット数が数百という大救急病院に急成長した.本書にあらわれる著者の姿は,文字どおり月月火水木金金……,休日も睡眠も家庭サービスも一切を犠牲にして,卒先して従業員の先頭にたって深夜も働く超猛烈医(いや超壮烈医といったほうがよいかもしれない)そのものである.よくも,こうも働いて身体がもつものだと思う.
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