今月の主題 知っておきたい骨・関節疾患の診かた
腰背部を中心に
特発性脊柱側彎症
山内 裕雄
1
,
浅賀 嘉之
1
1順大整形外科
pp.2308-2310
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207668
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脊柱側彎症
脊柱側彎症は,構築性側彎症と非構築性側彎症とに分けられる.非構築性側彎症は,機能性側彎症とも呼ばれ,骨には変形がなく,非固定性で,原因を除去することにより側彎を矯正できる.姿勢による側彎,脚長差があるための代償性側彎,椎間板ヘルニアなどに見られる疹痛性側彎などがこれに含まれる.非構築性側彎の特徴は,脊椎の回旋と代償性の側彎とがない点である.構築性側彎症は,この逆で,治療の対象となる側彎である.
構築性側彎症は,多くの原因によって発生するが,その中で原因の明らかなもの,または何らかの疾患と合併している側彎症を症候性側彎症と呼んでいる.これには,ポリオや脳性麻痺,その他に合併する神経原性側彎症や,脊椎の骨奇形によって生ずる先天性側彎症,神経線維腫症(Recklinghausen病)に合併する側彎症,Marfan症候群に合併するもの,進行性筋萎縮症に合併する側彎症,その他がある.しかし,これらの症候性側彎症が,全体の側彎症の中で占める割合は少なく,その80%以上が,未だ原因の明らかでないもので,これを特発性側彎症とよんでいる.
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