臨時増刊特集 診断基準とその使い方
XII.癌
白血病
山田 一正
1
1名大第1内科
pp.2234-2238
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207649
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はじめに
白血病は骨髄,リンパ節,網内系などの造血組織において白血球系の全身系統的異常増殖をきたす疾患である.この異常増殖は自律性,進行性,非可逆的であり,全身各種臓器に浸潤,増殖し,流血中にも病的白血球の出現をみる.すなわち,白血病は白血球系造血組織の悪性腫瘍である.
白血病は臨床経過が年余にわたる慢性白血病に対して,数週間から数カ月と急激な経過をとる急性白血病があり,その臨床経過の長短は一応考慮におくものの,むしろ異常増殖する白血球系細胞に成熟型への分化に乏しく,かかる幼若白血球(芽球)が増殖の主体を占めるものを急性型とし,一方,成熟型への分化のみられる白血球細胞増殖を主体とするものを慢性型として,明確な区別をおく.
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