臨時増刊特集 診断基準とその使い方
XII.癌
脳腫瘍
高倉 公朋
1
1国立がんセンター脳神経外科
pp.2184-2187
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207633
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はじめに
脳腫瘍は組織学的種類がきわめて多く,しかも発生する場所により,多彩な神経症状を呈するので,診断がむずかしい.一方で頭蓋内圧亢進をきたす腫瘍以外の病変,たとえば脳膿瘍や慢性硬膜外血腫などの疾患があり,他方,脳腫瘍でも頭蓋内圧充進を起こしにくいものもあるので,誤診することがある.
脳腫瘍の診断にあたって最も重要なポイントは,慢性の頭痛や,進行する神経症状,また20歳以後に発生したてんかん発作などを訴える患者に接した場合に,まず鑑別診断の一つに脳腫瘍を加えて考えてみることである.
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